訴訟社会アメリカでは訴追が始まった。二〇〇八年六月にはブローカーなど四〇六人が訴追され、破綻したベアー・スターンズの元役員二名も別途訴追された。これはS&L破綻やエンロンーワールドコム事件など、ルール違反は徹底的に訴追するという訴訟国家アメリカの姿を映し出している。逮捕者はその責任で監獄行きとなる。しかし、この訴追で投資家の損失がすべて返却されるものではない。しかも、健全な債務者も、住宅価格の下落で含み損が発生している可能性がある。過重債務下での消費のツケは大きく、宴は一瞬で終わった。「含み」に踊らされた債務者も、結局は債務だけが残ってしまうことになる。今回の問題を大きくした最大の原因が、この「器」かもしれない。証券化で出てくるSPCやSPVとほぼ同じ役割を演じるものだが、このビークルは金融機関が作り、融資を行い、CDOを発行すると同時にCDOの購入者になるという点でリスクの移転が行われていたように見える。
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